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今、育成年代でフィジカル(運動能力)が重要となっているワケとは?

「フィジカルは後から付いてくる」

「フィジカルに頼っている選手は伸び悩む」

「あの選手、フィジカルはあるんだけどね…」

小学生年代のサッカーの現場において、そんな声を聞くことがよくあります。この会話のような側面が大いにあることも事実としてあります。

しかし近年、小中学生における育成年代においてフィジカル(運動能力)が非常に重要になってきています。そしてこれからより重要になっていくと思われます。

フィジカル(運動能力)が重要な理由とは?

外遊びの現象と運動の偏り

今の小学生は昔と違い、外遊びが減り、偏った運動(サッカーならサッカーばかり)が多くなった。それには環境の変化(公園や空き地の減少、治安の悪化など)や生活習慣の変化(塾やクラブ活動など)の理由があると考えられます。

外遊びが減ることにより偏った運動が増え、怪我だけでなく、その競技においても結果として伸び悩む原因の一つとなっています。

体の動きに制限があれば、プレーにも制限が出てくる。色々なスポーツを経験することや遊びをすることは、様々な動きをすることになり、結果としてコーディネーションを高めることとなっていたと考えられます。それは動きの多様性や様々な身体の使い方を覚えることとなり、動きやプレーにも幅ができることでパフォーマンスの向上、ダイナミックさが生まれる。伸びしろを作っておく上でも重要になってきた。

子どもの大型化(平均身長の変化)

20年前と現在(データは令和4年)では小学生の平均身長に大きくなり大きな変化があります。日本人の平均身長も伸びている中、サッカー選手においても大型化が進んでいる。大きい選手を相手にする時、今までのような「技術があれば」「インテリジェンスがあれば」と言ったことだけでは物理的に難しくなってきている。また、大きな身体にあった筋力や運動能力が必要になってきています。20年前のトレーニングでは今の子どもたちには合っているとは言えず、そもそも足りていないのです。

8人制の導入

8人制サッカーの導入は、多くの人がボールに触れる時間を増やすことでプレー回数を増やし、子どもの成長促進につなげることを目的としています。

これはつまり、一人一人がプレーするエリアが広がり1人が担当するエリア(カバーするエリア)が広がったことを意味しています。動けない選手にとっては、8人制においてとても広いグラウンドとなってしまい、パフォーマンスを発揮するためのフィジカル(運動能力)が必要です。

プロの世界において、交代人数の変化

世界各国のリーグでも同様に、国際サッカー評議会(IFAB)の決定に基づき2020-2021シーズンより、交代人数が3名→5名にかわりフレッシュな選手を多く交代できるようになった。

フレッシュな選手が多く入るということは、それだけ終盤になってもプレーの強度が高く保たれるということ。つまり最後までピッチに立ってプレーするためには、その強度の中でも動き続けるフィジカル、制度の落ちない技術を発揮するフィジカルが重要になった。これによりその下のカテゴリーにおいてフィジカルを持った選手を必要とすることを意味しています。

小学生年代は、大きな土台を作れ!

勉強や音楽、そしてスポーツにおいても例外なく基礎(土台)が重要です。

サッカーにおいて土台となるものは、基礎運動能力、基礎体力、基礎筋力、基礎技術です。特に小学生年代においてはゴールデンエイジと呼ばれる、運動能力を伸ばす、基礎技術を伸ばすためには最適な時期です。

この時期にどれだけ大きな土台(基礎)を作れるかは、非常に重要です。またこの時期にしかできないことでもあります。

大きな土台の上には、多くのものを載せることができるように、サッカーにおいても技術や戦術など多くのものを吸収するベースを作ることとなるでしょう。

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この記事の著者

ISHIBASHI

中学卒業後、本場でサッカーをしたいとの想いからアルゼンチンに3年間のサッカー留学。ブエノスアイレスにあるチーム、アルマグロ、ラシンでプレー。
帰国後、横浜FC、サガン鳥栖、アローズ北陸(現カターレ富山)でプロサッカー選手として7年間プレー。
引退後、横浜FCサッカースクールで指導を始め、中学生年代の指導を中心に指導。現在、当スクールと埼玉県の強豪FCLAVIDA /昌平高校を指導。
元プロ選手と指導者としての経験から、「上達に必要なこと」だけでなく「サッカーを通して、人間形成や人として成長すること」を大切にしている。

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