スピードトレーニングは、なぜ小学生のサッカーに必要なのか?
「サッカーが上手い子は、足が速い。」
そう思われることは少なくありません。
もちろん、足の速さはサッカーにおいて大きな武器になります。
しかし、私たちが考える「サッカーに必要なスピード」は、単純に50m走が速いことだけではありません。
サッカーで大切なのは、
「必要な瞬間に、必要な方向へ、素早く動き出せること」です。
だからCITY SPORTS ACADEMYでは、スピードトレーニングを単なる「足を速くする練習」としてではなく、
「サッカーの中で使えるスピードを育てる時間」として考えています。
サッカーに必要な「スピード」とは?
例えば、試合中にボールがこぼれたとします。
相手もボールに向かって走っています。
このとき重要なのは、
「50mを何秒で走れるか」ではありません。
最初の一歩をどれだけ早く出せるか。
そして、
最初の数メートルでどれだけ加速できるか。
です。
サッカーでは、長い距離を一直線に走り続ける場面よりも、
数メートルの短い距離を、一瞬で動く場面が非常に多くあります。

① 動き出しの速さがサッカーを変える
サッカーでは、同じスピードの選手でも、
「いつ動き始めたか」
によってプレーの結果が変わります。
例えば、
相手より0.5秒早く動き出す。
それだけで、
- ボールに先に触れる
- パスを受ける
- 相手の前に入る
- 背後を取る
- 守備で相手に寄せる
といったことが可能になります。
つまり、
「足が速い」ことと「サッカーで速い」ことは同じではありません。
サッカーでは、
反応する → 動き出す → 加速する
という能力が重要になります。
② スピードは「攻撃」の武器になる
スピードがある選手は、攻撃で多くの選択肢を持つことができます。
例えば、
- 相手の背後へ走る
- 空いたスペースへ入る
- パスを受けるために動き出す
- ドリブルで相手を置き去りにする
- こぼれ球へ先に到達する
など。
特に大切なのは、
「速く走ること」ではなく「速く動き出すこと」です。
味方がボールを持った瞬間に動き出せれば、相手より先にスペースへ入れる可能性が高くなります。
③ スピードは「守備」にも必要
スピードは攻撃だけのものではありません。
守備でも非常に重要です。
例えば、
- 相手に素早く寄せる
- 相手の背後をカバーする
- こぼれ球へ先に行く
- 相手の突破についていく
- 味方のミスをカバーする
など。
守備では、
「相手が動いた瞬間に、自分も動く」
ことが必要になります。
そのため、
反応の速さ+初速+加速
が守備能力にもつながります。
④ 「速く走る」だけではない
ここは特に大切です。
スピードトレーニングというと、
「10mダッシュを何本もする」
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、ダッシュも必要です。
しかし、それだけではありません。
私たちは、
見る → 判断する → 動き出す → 加速する
という流れを大切にします。
例えば、
「赤だったら走る」
「ボールが落ちたらスタートする」
「相手が動いたら追いかける」など。
こうすることで、単純な走力ではなく、
「反応して動くスピード」を育てていきます。

⑤ スピードと判断力はつながっている
サッカーでは、
「速いけれど、動くタイミングが悪い」
ということもあります。
逆に、
「そこまで足は速くないけれど、いつも良いタイミングで動く」
選手もいます。
後者は、試合の中で非常に速く見えます。
なぜでしょうか。
それは、
判断が早いからです。
例えば、
味方がパスを出す前に動き始める。
相手がボールを受ける前に寄せ始める。
ボールがこぼれる前に予測して動く。
これらはすべて、「判断の速さ」です。
だからこそ、私たちはスピードトレーニングの中にも、少しずつ「見る・考える」という要素を入れていきます。
⑥ スピードは「最初の数メートル」が重要
小学生のサッカーでは、長い距離を走るよりも、
5m、10m程度の短い距離で勝負が決まる
場面が多くあります。
例えば、
ボールまであと5m。
相手も5m。
どちらが先に触れるか。
ここで重要なのは、最初の一歩。
そして、最初の数歩でどれだけ加速できるか。
そのため、スピードトレーニングでは短距離のダッシュや反応スタートなどを取り入れていきます。
⑦ 「止まれること」もスピードの一部
速く走れることだけがスピードではありません。
サッカーでは、
速く動く → 減速する → 止まる
という動作も非常に重要です。
例えば、
相手に寄せる。
↓
近づきすぎたら減速する。
↓
相手の動きを見る。
↓
必要なら再び動く。
これができなければ、速くても相手に簡単にかわされてしまいます。
つまり、「アクセル」だけではなく「ブレーキ」も必要。
スピードをコントロールする能力も、サッカーでは大切です。
⑧ 小学生の時期に取り組む意味
小学生の時期は、身体の成長に個人差が大きい年代です。
身長が高い子。
小柄な子。
早く身体が大きくなる子。
これから大きく成長する子。
当然、今の時点での走る速さにも差があります。
しかし、
今、足が速いかどうかだけで将来を決めることはできません。
だからこそ、現在の速さだけを見るのではなく、
- 正しい走り方
- 身体の使い方
- スタートの仕方
- 力の出し方
- 反応して動く経験
- 加速する経験
を積み重ねていくことが大切です。
今の「速さ」ではなく、
これから速く動ける身体をつくる。
これも小学生年代の重要な役割だと考えています。
では、スピードトレーニングをしないとどうなるのか?
ここも誤解のないようにしたい部分です。
スピードトレーニングをしなければ、
「足が速くならない」
という単純な話ではありません。
サッカーをしていれば、自然と走る経験は増えます。
ただ、
「速く動く経験」や「全力で加速する経験」が少ない
と、
- 一歩目が遅れる
- 加速することが苦手
- 全力を出すことに慣れていない
- 相手との競争で遅れる
- 動き出しのタイミングが遅い
といったことにつながる可能性があります。
特に、普段の遊びや運動の中で全力疾走する機会が減っている子どもたちにとっては、意識的に「速く動く経験」を作ることには意味があります。

「足が遅い=サッカーが下手」ではない
これも大切にしたいことです。
サッカーには、さまざまなタイプの選手がいます。
足が速い選手。
身体が強い選手。
技術が高い選手。
判断が速い選手。
相手を読むのが上手い選手。
足がそれほど速くなくても、
判断が速いことでプレーを速くすることができます。
だから私たちは、「足が速い子を評価する」だけではなく、
「どうすれば自分のスピードをサッカーの中で活かせるか」を考えます。
スピードは「才能」だけではない
生まれつきの身体的な特徴も、もちろんあります。
しかし、
動き出しの技術。
身体の使い方。
加速の仕方。
反応する経験。
全力で走る経験。
こうした部分は、経験によって変わっていきます。
だからこそ、
「うちの子は足が遅いから……」
と決めつける必要はありません。
今できることから、少しずつ経験を増やしていく。
その積み重ねが、将来のスピードにつながります。
大切なのは…
子どもの「速さ」は、成長によって大きく変わります。
今、チームで一番速い子が、ずっと一番速いとは限りません。
逆に、今はそれほど速くない子が、身体の成長や経験によって大きく伸びることもあります。
だからこそ、
「今、何秒で走れるか」だけを見ないでほしい。
昨日より速く動けた。
一歩目が早くなった。
相手を見てから動けるようになった。
以前よりスムーズに加速できるようになった。
こうした小さな変化も、成長です。
そして何より、「速く動くことが楽しい」という感覚を持ってもらうことが大切です。
CITY SPORTS ACADEMYが育てたい「速さ」
私たちが目指しているのは、
「足が速い選手」だけではありません。
目指しているのは、
「状況を見て、素早く判断し、必要な瞬間に身体を動かせる選手」です。
速く走る。
速く動き出す。
速く反応する。
速く判断する。
そして、
その速さをサッカーの中で使う。
これが、私たちが考えるスピードトレーニングです。
小学生の今だからこそ、
「今の速さ」を競うのではなく、
「これから伸びる速さ」の土台をつくる。
CITY SPORTS ACADEMYでは、そんな視点でスピードを育てていきます。
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