初めての環境を拒む子どもに、どう向き合う?
「新しいサッカースクールに行きたくない。」
「体験に行くのが嫌だ。」
「知らない子がいるところは嫌。」
初めての環境に入ることを拒む子どもは、決して珍しくありません。
そして、それを見ている保護者の方も、
「このままで大丈夫かな?」
「もっと積極的になってほしい。」
「せっかく申し込んだのだから、参加してほしい。」
と悩まれることがあります。
しかし、まず大切なのは、
「行きたくない」という子どもの気持ちを否定しないことです。
なぜ、子どもは初めての環境を嫌がるのか?
子どもにとって「初めて」は、分からないことだらけです。
どんな場所なのか。
どんな先生なのか。
どんな友達がいるのか。
自分はできるのか。
失敗したらどうしよう。
仲間に入れなかったらどうしよう。
大人からすると小さなことでも、子どもにとっては大きな不安になることがあります。
だから、
「大丈夫だから!」
「みんなやってるよ!」
「行けば楽しいよ!」
と不安を打ち消そうとするよりも、
「初めてだから緊張するよね。」
と、その気持ちを受け止めることが最初の一歩になります。
「行く・行かない」の二択にしない
初めての環境に入るとき、いきなり「参加する」ことを目標にすると、子どもにとってハードルが高くなります。
そこで、段階をつくってあげます。
①まずは一緒に行ってみる
↓
②外から見てみる
↓
③コーチと話してみる
↓
④ボールに触ってみる
↓
⑤一人の子とやってみる
↓
⑥少しだけ参加してみる
↓
⑦次はもう少しやってみる
このように、「参加する」までの間にいくつもの小さな一歩があります。
最初から全部できなくても構いません。
「今日は見ているだけだった。」
それでも、その子にとっては大切な経験です。

親ができることは「押す」ことだけではない
子どもが拒んでいるとき、親はどうしても、
「行かせなければ」
と思ってしまいます。
しかし、親の役割は、子どもを無理やり動かすことではありません。
「やってみても大丈夫」と思える環境をつくること。
例えば、
「一緒に行ってみよう。」
「最初は見ているだけでもいいよ。」
「コーチに挨拶だけしてみようか。」
「嫌だったら今日は帰ってきてもいいよ。」
そんな言葉でも構いません。
そして、子どもが少しでも動けたら、
「今日は自分からコートの近くまで行けたね。」
「コーチに挨拶できたね。」
「最初は嫌だったけど、少しボール蹴れたね。」
と、その一歩を認めてあげる。
「できた・できない」ではなく、「一歩踏み出したこと」を評価する。
それが次の挑戦につながります。
初めての環境に入ることで、何が育つのか?
新しい環境に入る経験は、単に「新しいサッカースクールに慣れる」ということだけではありません。
そこには、これから先の人生にもつながる力があります。
① 挑戦する力
「分からないけど、やってみる。」
これは、子どもの成長に欠かせない力です。
② 適応する力
新しい場所では、自分の思い通りにならないこともあります。
その中で少しずつ環境に合わせていく経験が、適応する力につながります。
③ 人と関わる力
知らない子や大人と関わることで、
「挨拶する」
「話しかける」
「相手の話を聞く」
「一緒に遊ぶ」
といった経験が生まれます。
④ 自分で考える力
「どうしたらいい?」
「誰に聞けばいい?」
「どうやって仲間に入ろう?」
新しい環境では、自分で考える場面が増えます。
⑤ 自信
そして何より大きいのが、
「初めての場所でも、自分はなんとかできた」
という経験です。
これは、次の「初めて」に挑戦するときの支えになります。
「不安をなくす」のではなく、「不安があっても進める子」に
子どもが不安にならないように、すべての不安を取り除いてあげることもできます。
でも、それだけでは新しい環境に出会ったとき、また同じ不安を感じるかもしれません。
だからこそ、
「不安をなくす」よりも、
「不安があっても一歩進める」
という経験を大切にしたいと思っています。
怖くてもいい。
緊張してもいい。
最初はできなくてもいい。
時間がかかってもいい。
それでも、
「ちょっとやってみよう。」
と思えたら、それは立派な成長です。

子どもの世界は、「一歩」で広がる
子どもが成長していけば、たくさんの「初めて」に出会います。
新しい友達。
新しい学校。
新しいチーム。
新しいコーチ。
新しい場所。
新しい挑戦。
そのたびに、少し不安になるかもしれません。
だから小さい頃から、
「初めての場所に行ってみる」
という経験を積み重ねておくことには、大きな意味があります。
もちろん、無理をさせる必要はありません。
子どもの気持ちを受け止めながら、
小さな一歩を一緒につくってあげる。
そして、その一歩を大人が認めてあげる。
それだけでも十分です。
初めての環境が、子どもにとって「怖い場所」ではなく、
「自分の世界を広げる場所」になっていく。
私たちは、そんな経験もサッカーの大切な価値の一つだと考えています。
「行ってみよう。」
その小さな一歩が、
子どもの世界を大きく広げていきます。
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